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キリエのうたのNaのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.5
駆け込みセーフ鑑賞。東京の映画館中で、1日1回しか上映してなかった。
岩井俊二監督作品初鑑賞。3時間と聞いてたので、途中飽きないか心配だったけど、結論集中して鑑賞。予告でアイナちゃんの独特の歌声に馴染めるかも不安だったけど、映画館で聞くと大丈夫だった。
感想をポツポツと↓

○イッコの設定
まず、広瀬すずの演技って、どうやっても「広瀬すず」のイメージだったけど、「イッコ」だし「真織」だった。最初のシーンは、憑依しててびっくりした。(広瀬すず特有のわざとらしさが皆無)
女を使ってお金を稼ぐ祖父母や母のようになりたくないと思いつつ、結果的に自分もそんな生き方をしているのが皮肉だし、コロコロとウィッグやファッションを変える設定も、誰にもなっていない感があって、こんな設定思いつくのすごいな、って思った。フラフラしているように見えて、違和感がないキャラ設定

○夏彦の人間としての脆さ
夏彦が一番人間味があるなと思った。人間の悪いところ出てる。それが良かった。フィアンセのキリエが見つかっていないのに、「このまま見つからずに、全部無かったことにしてしまいたい」と言ったり、「なんとかするつもり」と言っておいて何もしなかったり(状況的に何もできないのは仕方ないけど、必死で追いかけたりしないあたり、結局はめんどくさいことに巻き込まれたくないのかな?とか)、それでもルカの顔をもう一度見せてくれ、といって「許してくれ」と言ったり、、、いや俳優松村北斗めっちゃ良かったな。

○映像としての伝え方
小説の方でサクッと読んでたので、「映画ってこういうことなんだ、、、」と学び。映像にすると、切り取る部分や構成がもちろん違っていて。先に、流れを作ってシーンを切り取るということが大事だなと。学び。(オープニングとエンディングの北海道の雪のシーン、震災のシーンは、映像としての良さが際立っていた)もしかしたら脚本だけだと平坦に見えるシーンも、音楽やシーンが綺麗だからこそ成り立っていた(←誰やねん)
震災のシーンも、当時の揺れや防災意識の低さなどもリアルだったなあ

○追記
終わった時は、フワーって感じだったのに、数日経ってからちらほらと感想が出てくる、これが岩井俊二なのか!?
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