古川智教

PERFECT DAYSの古川智教のネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

孤独と反復は常に生の側に立つ。平山という木に時折止まりにくる小鳥や、風を受けての感情のざわめき、木漏れ日がもたらす夢への反映をただ見つめているだけのような映画。
役所広司演じる平山を見ているようで、実は平山と同じものを観客は見つめている。
そして、それは誰しもが孤独と反復のなかで見たことがあるはずのものだ。
確かにその各々の世界は「繋がっているようで繋がっていない」ものだとしても、互いの交換不可能な「影を重ねれば、影は濃くなる」。だから、繋がらないもの同士としての重なりと離散は、孤独と反復と同じく生の側に立つのだ。
古川智教

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