このレビューはネタバレを含みます
何も起こらない映画ってつまらないってなりがちだけど、この映画はどうか何も起こらないで、この人の生活を誰も邪魔しないでと祈るような気持ちで見ていた
平山さんという人は、言葉少なくひとりで生きているけど、困ってる人は助けるし、いつも会う人には挨拶するし、常連たちには笑顔も見せるし、人が好きなんだと思う
好きな音楽を聴いて、好きなものを見つけて集めて、好きな本を読んで、好きなものに囲まれた部屋で暮らすこと
自分のルーティーンを守りながら、同じ生活を送ることは、すごく難しくてすごく贅沢で幸せなことだと見せつけられた
ふとした時に別の世界に接することで、自分の世界が揺らいでしまうとき、それも受け止めて生きていかないといけないのはしんどいけれど、「変わらないものなんてない」「繋がっていない世界もある」という言葉に救われた
最後の表情には悔しさ、諦め、切なさ、温かさいろんなものが詰まっていたように見えた
日本版パターソンと言われるのは納得
ただ、パターソンを見た時はもっと単純に幸せな気持ちになった
この映画はなんとも言えない切ない気持ちになる
最後に、ヴィムヴェンダースから見える東京は、こんなに綺麗なのかとびっくり
私たちが海外の街並みが綺麗とかって思うのと一緒なのかな
