このレビューはネタバレを含みます
無駄のない生活の中に、小さなスパイスが散りばめられていく。トイレ清掃員の男性が、同じ場所をぐるぐると回りながら、ロードムービー的に出会いと別れを小さく繰り返していく。
と同じように、映像も無駄のないカット割り、音の流れ、時折スパイスのようにパンチを効かせる音楽と日光。
巨匠のシンプルパスタのような映画だった。
いや、この感想は浅すぎる。
もっかい見る!
トイレについては、おしゃれで企画もの的に作られた新しいトイレに限定せず、古くからあるものでも良かったんじゃないかとは思った。
スナックのママの「ずっとこのままだったらいいのに」とか、「今度は今度、今は今」とか「何も変わらないなんて、そんなわけないですよ」とか
「変化」をテーマにした作品として観るとよりメッセージがひしひしとくるし、変わらないって、無理なんだなと、過去を回想しちゃったりしてそれでほろりした。木漏れ日からそれを連想してこの話が出来たのだとしたらもうそれは才が過ぎる。