塩湖

PERFECT DAYSの塩湖のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
家出した姪っ子と役所広司が公園のベンチでご飯たべたり写真撮ったりしてるそのうしろにピンボケしながら映るしかなくなる長井短が良すぎた。役所広司がヴェンダース的東京の片隅で絶妙に聖人化しない訳がここにある。誰かを見ている時、もういっぽうにいる誰かを見ることはできない。そういった当たり前の残酷さをこの映画は忘却しない。写真に記憶される一瞬。木漏れ日のさす一瞬。今度では決してない今この一瞬。ここにいないあの人はその一瞬必ずどこかにいる。それは目が回るほどに遠い場所かもしれないし呆気にとられるほどに近い場所かもしれない。こんなに惨いことはない。生活ってどうしようもないな、でもこうでないと生活じゃないのかもな、としみじみ感じる映画だった。
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