なかた

PERFECT DAYSのなかたのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.6
【スローテンポ映画苦手だけど、これは好き】
2023年東京の美しい所だけを映した作品。制作意図や特定シーンの倫理性に疑問が残る場所もあるが、全体では好き。

物語性は薄く、主人公も無口。
そしてテンポもスロー。
しかし、本作はなぜか見てられる。

現代の東京でテクノロジーと無縁に自立した生活を送るともしかしたらこんな生活もあるのかもしれない、幸せなのかもしれない、と思わせてくれる。

そして何より、作品を通じて憎悪や毒素がほとんどない世界を描いており、その世界は確かに美しく、まさに『PERFECT DAYS』だと感じさせられた。

しかも、安直なテクノロジー反対、新しいモノ反対というよりは、レトロさと新しさがうまく混ざっているのも良い。

平成生まれな私もカセットの音楽良いな、聞いてみたいな、と素直に感じた。


▼概要
「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。

2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。
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