2023/12/22
配給 ビターズ・エンド
何も変わらないなんて、ないですよ
家の前の箒の音で目が覚め、綺麗に布団を畳み、読みかけの文庫本を閉じて、歯を磨き、髭を剃り、植木鉢に水をやり、
「TOKYO TOILET」のつなぎを着て、
缶コーヒーを買い、トイレ清掃仕様のKバンに乗り込み、カセットテープをかけて職場の公衆トイレに向かう。
お昼は神社のベンチでサンドウィッチと牛乳。木漏れ日の写真をフレーム覗かずに撮影をして、上手く撮れてるかは休日の取りに行く現象を楽しみに。
仕事が終われば、帰宅して自転車で銭湯に。
夕食は浅草でサワーといつものつまみ。
帰宅して布団に入りながら文庫を読み、眠くなったら電気を消して就寝。
そんなルーティン。
それでも日々何か変化はある。
毎日の清掃中に⚪︎×クイズの紙が。
見知らぬ人とワンゲームを楽しみ、
後輩が狙ってた女の子が、唐突にキスしてきたり、その後輩が電話一つで仕事辞めたり、
家出してきた姪っ子の家でを受け入れて、
妹と父親との過去を思い出したり、
休日に通ってる小料理やのママの元旦那とのハグを見てしまったり、
その元旦那から自身の癌の告白を受け、
何故か影踏み一緒にやったり、
そんなルーティンにちょっとした変化が加わっても、何も変わらない日々。
それでもまたカセットテープかけて今日を過ごす日々。
パーフェクトなんてないよ。
でもそれでいいではないか。
第76回カンヌ国際映画祭
男優賞
