大福

PERFECT DAYSの大福のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
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日常の営みの中にある微かな光や揺らぎの美しさを見逃さない平山の豊かさ。粛々と、でも矜持を感じる姿に、映画の序盤から静かな涙が流れてきた。

追記
20240212 パンフレット購入
特別対談の中で川上未映子さんが平山のことを「選択的没落貴族」というワードで語っていた。仕事を選べずに、今まさに肉体労働に従事している若者が映画を見たらどう思うのか興味があると。なるほど、と思った。自分も20代介護職の端くれなので、トイレ清掃や利用者のオムツ交換は日常。映画の中での平山の細やかな仕事ぶりに感動した。清掃にあたる現場に汚物が描かれていないことには違和感を抱きつつも。何故かというと、自分はそんな風には生きられていないから。仕事を”選べる”人と”選べない”人とでは、見方が随分変わってくる作品なのだなと。平山の心の在り方には感動する。だけど、同じような生活を、同じような仕事を、望んで選ぶ人が果たして何人いるんだろうか、なんてことを頭の片隅で考えたりね。何よりただの称賛だけでない面もしっかり収録されているパンフレットの素晴らしさ。読み応えがありました。

20240321
一番近い映画館では今日が最後の上映だったので2回目の鑑賞。制作に関わる人たちの背景を知ったり、パンフレットや考察も読んだ上だから何も知らないで見るよりもノイズが多いかなぁと思いつつ。
でも、やっぱり良かった。光の捉え方が好きだった。タカシの耳が大好きなデラちゃんが妙に印象的だった。
大福

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