このレビューはネタバレを含みます
どうして今のままでいられないんだろう
持っていっていいよ
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人間讃歌。
彼の世界の情報は、
彼が出会った人
読んだ本
聴いた音楽
食べたもの
カップヌードル、サンドイッチ
たまにの女将さんの店と
浅草の行きつけ。
彼と私で同じ時間生きたとして
それは同じ寿命なのだろうか
時間ってなんだろう。
どうしてトイレをあんなに磨くんだろう
何か理由があるかもしれないけど
それは全く観客には伝えられない
どう生きたらあの人になるのか。
人のことを愛しているけれど
愛す術を持っていない時
私たちはどうするだろうか。
そんな人にも見えた。
その愛情はどこからくるのか。
人間の一番生理の部分に触れる人だからか。
もしくは何かの贖罪なのか。
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まず見慣れた映画のレンズではないことに気づく。比率もだが解像度。
映画の画作りではないことに最初に気づいて、日常を覗き見る、という気持ちで入り込む。
ほぼ無言のシナリオで、寝ずに鑑賞できたことに驚く。セリフだけが台詞じゃない、沈黙が言葉になる生き方。
そのほかの人物はすごく物語的で、ちゃんとストーリーをリードしていたように感じた。(少しわざとらしい台詞回しもそうなのかな?って勝手に解釈)
繋がってるようで繋がってない世界、は平山らしくない歯の浮いたような臭さのあるセリフ。きっとこれを人物に馴染ませて言うことも出来るのが役所さんなんだと思うけど、平山が言うならあぁいう照れ臭さが残ってるはずだと思う。からあの言い方なのかな。
平山以外は極めて物語的。
その塩梅がすごく上品に感じた。
2024-1