白川

PERFECT DAYSの白川のネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

平山は日々の暮らしをルーティン化し、人との関わりを必要最小限に抑えることで心身を凪の状態に保っている。
物質的な幸福に囚われず、余計な情報は一切入れない。時計すらない部屋で本を読み、古いカセットテープを聴いて暮らす。
淡々と慎ましく送られる生活はまるで儀式のようで、神聖さと少しの狂気すら感じる。

しかし実際、それこそが、ほんの少しの刺激で壊れてしまいそうな心を守るため彼なりに必死で築き上げてきた処世術であり、薄氷を踏むように積み重ねた「PRFECT DAY」の連続だったんじゃないかと思う。

そうして根を張り育て上げた「木」のような心に、予期せぬ出来事によってざわめきがもたらされ、それは少しずつ広がって枝葉を揺らしていく。
そのすき間から溢れ出た木漏れ日が、あのラストシーンなのだと受け取った。

全てあくまで個人的な解釈でしかないけど、あのラストの無言、表情のみのカットで視聴者にここまでの情報を落とし込んでくる役所広司の凄まじさに恐れ慄いた良い映画始めでした。

都民なのにTTTプロジェクト初めて知ったよ!
白川

白川