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PERFECT DAYSのmoguのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

知足という言葉が浮かんで、謙虚に質素に暮らしていこうという気持ちになった。気持ちのいい映画。ポスタービジュアルのコピーのように、こんなふうに生きていけたら、という気持ちになった。

こんなふうに生きていけたらと思う気持ちのいい感情が大半なのだけど、平山は自分の生活以外になんの責任も持っていないじゃないかと、その責任のなさをずるいなぁと羨ましく思う、ネガティブな感情も生まれた。

施設?病院?にいるお父さんに顔を見せることもなく、姪を育てる責任を持っているわけでもなく、スナックのママを支える関係にあるわけでもない。

欲に溢れたたけしや、運転手付きの車に乗るような成功者の妹を素敵に描こうとはされていないが、彼らは現実世界では普通の人だ。むしろ、たけしには彼を慕う幼馴染がいて平山に敬意を示せて愛おしいキャラクターだと思うし、妹はお父さんとも交流をし、関係は悪いかもしれないが娘を育て、頑張って生きている。

他者と深い関係にはならず、自分のルーティンを守っていく平山の姿は、出家した修行僧のようで、美しく憧れるけれど、自分のことだけやっていればいいその生活が、今の私のようでもあり、こんなふうにそのまま歳をとって生きていけたらとも思うけど、申し訳なくなった。
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