このレビューはネタバレを含みます
「何もわからないなぁ、何もわからないまま終わっちゃうんだなぁ」
とても美しい映画だ。
なんでもない一日が映る。なんでもない一日の中での人との関わりや木漏れ日のきらめき。空を見上げ、いつものコーヒーを買い、働き、好きな音楽を聴き、好きな本を読み、風呂に入り、ごはんを食べ、眠る。なんでもない一日を見ていて涙が出てきた。
おじさん二人の影踏みを見て、また涙が出た。生きてるなぁ、と思った。
帰り道、劇中で流れていた曲たちを聴きながらバスに揺られる。窓の外で街がキラキラしている。いつも見ている景色が、なんだか美しく見えた。
役所広司さんが圧巻。そりゃカンヌで男優賞獲るよ。感動しました。