松タケ子

PERFECT DAYSの松タケ子のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.1
小津の平山さんは昭和のお父さんで、身の回りの世話は全部嫁や娘にやってもらう人だけど、ヴェンダースの平山さんは令和の人。ごくミニマルな、一人で完結する持たない暮し。
自分の暮しに満足している人間がいちばん幸せなんだろうなと思う。足るを知る心。風が吹いて木の枝が揺れて、雨が降って道路が濡れる、もののあはれ。人とのかかわりで生まれる安らぎや心のざわめきは、喜怒哀楽以上の濃淡を平山さんの表情に映し出している。東京画もすごく好きな映画なんだけど、今作でヴェンダースが日本のどういう精神性を美しいと思っているかギュンギュンに伝わりました。
松タケ子

松タケ子