てやっ

PERFECT DAYSのてやっのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

世界で一番好きな映画だった。

何がパーフェクトデイズだ!と思った、トイレ清掃という仕事をバカにされ、ボロ家の中で本に埋もれて、未だにアナログから抜け出せてない時代遅れのおじさんが幸せなのか、完璧なのか、と。だが、迷子の子供を助けて、子どもとバイバイしたり、顔も知らない誰かと○×ゲームをしたり、姪が遊びに来たり、本屋のおばさんのつまらない解説を聞いたり、鳥居の端を通ったり、木漏れ日を楽しんだり、つまらない日常の愛すべき物語を楽しんでいた。
人間の複雑で深い感情をリアルに表現している稀有な映画だと思った。ただ、悲しい嬉しいだけでなく、それらの感情が連なって、時に重なって劇中歌であったように、「sometime feel happy sometime feel sad」何だと思う。更にそこに役所さんの気の利いた演技が追い打ちをかけ、ベンダースの得意なドキュメンタリー風の映像になっていた。

私が一番好きなのは、鍵などを横一列にして並べたりするくせに、使い終わったタオルはかごに投げ捨てたりするところで、変なところで神経質だが、よく共感できる演技が所々で見られた。

私もこうなりたいと思ってしまった。
こう思えたのは、私もまた「完璧」に近づいたということなのか。しかし、それには一生追いつけないのだと思う。

ありがとうベンダース!!!!!!
てやっ

てやっ