このレビューはネタバレを含みます
心を洗うような映画、削ぎ落とされた侘び寂び
トンチキ日本描写もなく素直に美しい国だと思える
PR動画というなれそめ
フィクションの存在をドキュメントの方法で追うファンタジー
持てる者たちが作った持たざる者の物語
わがままなサブカルおじの成れの果てかも
キャッチコピーへの問題提起
誰にでもできるがやろうとしないだけ
与えられた枠組みの中だけで幸せを見つけなければならない怖さ
それでもこの心地よさに騙されたいと思える
役所広司が抜群にすごい無言の演技
妹との会話、照らされる泣き笑い
理屈を超えた共感
自然のささやかなモチーフと静観な景色の積み重ねがエモーショナルな感情を蓄積し何かに共鳴してふと涙が出る
木漏れ日、自分だけに作ってくれる絵
今この瞬間にしかない複製不可能なもの
刹那的な出会いであっても何かそれが少しでも良きものであってほしい
揺らぐことそれはすなわちしなやかさ
言葉にしてしまうとそれ以下にしかならない
感動に対しては思慮深く懐疑的でありたい
パンフレットの表紙のように積み重なる日々
ハイボールが飲みたくなりカセットが聞きたくなる
こんどはこんど、今は今
冒頭の恵比寿東公園はチャイを飲みながらお喋りした懐かしい場所
にこが乗るチャリはどこから?