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PERFECT DAYSのrenのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたということで興味が湧いて映画館へ。
まず第一印象は、「平山さんの普段より忙しい1週間ちょいのVLOG映画(笑)」である。早朝、箒の掃く音で目覚め、枕元に置いてある文庫本の角を折り、棚にメガネと共に置き、布団を畳む。それから歯磨きをして、植物に水をやり、服を着替える。家の前の自販機で缶コーヒーを買い、車に乗り込み、今朝のBGMを決めて出発…と、モーニングルーティンから始まる。ランチタイムのルーティンも、仕事を終えたあとのナイトルーティンもかっちりと決まっている。
映画全体が基本的にそれの反復で成り立っているのに、なぜだかとても面白い(笑)なんだかすごく癒される。
平山さんの今の生活までに至る人生を想像させる余白(余白しかないけど)と、ほぼ喋らない平山さんの人柄を表情と動作だけで表現する役所広司の演技の相乗効果で、映画のなかで何が起こるわけでもないのに、私の中でドラマが勝手にできていくような感覚、とでも言おうか。そんな鑑賞後。
ラストシーンは、「あー、邦画監督ではこうはならないよな」というショット。
音楽のチョイスも良くて、しばらくはパーフェクトデイズプレイリストで暮らすことになりそう(笑)
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