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PERFECT DAYSのsuncineのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

変わらない日常でも幸せを感じることができ、木漏れ日のような日常の些細な一コマを大事にできることの重要性に気づく。
のは間違いないんだけれど、誰よりもこの日常から脱却することが出来ない現実の残酷さというものを自覚してるからこそ、この日常への感謝や日常への親近感が湧くと個人的に思った。
狭くて閉鎖的な空間は、嫌悪感を抱かれることもある。ただ、閉鎖的でも内部の人々の繋がりは強いもので敬意と尊重が存在していることで、どんな自分でも許容してくれるという安心感で溢れている。

自分が何よりも好きだったシーンは、主人公が自分から妹を抱擁するシーン。
過去の自分から距離を置いて今の自分の人生を送っている主人公にとって過去という現実と向き合うことは苦しむことが分かりきっているからきっと自発的にはしないんだろう。ただ、姪というきっかけを経て、妹という久しく向き合ってなかった大切な存在を再認識したであろう瞬間はとても素敵だった。
それに加えて、妹が兄似の優しい心の持ち主なんだろうなというカットが5分?ほどのシーンの中に溢れていてそこも良かった。

役所広司の表情筋の使い方凄い。
程よいキャスティング凄い。
柳井さんの息子さん凄い。

電通なんだけど、電通案件という言葉で一括りにしてはいけないと思った。一括りにできてしまう言葉の使い方はよく考えて使わないといけない。殺傷能力高いモノだと思うから。そういった言葉を軽々しく使いたくなったら、一旦立ち止まろうと思う。
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