美月

PERFECT DAYSの美月のレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
夜が明けた空。朝方の陽の光。こもれび。色んな光の色が混ざりあう反射。目と目の会話と会釈。同じ街に生きる他人への愛おしさ。…など。

これらをみたり、感じたりすると、思わず口角があがってしまう。このきらめきが詰まっている。

主人公である平山の表情をみているだけで、気づけばぽろぽろ溢れてくる、生きている喜び。

他人には殆どの誰にでも愛おしさは持ちながらも、住んでいる世界(視ている世界)が違う場合があることを知っている。心地よい距離が大切だ。

上映が終わるとこれで終わり?という戸惑いの声や鼻を啜る音が混じっていたので、この作品の受け止め方はかなり人によって差があるみたい。
帰り道には車のヘッドライトに照らされながら渡る横断歩道、信号の青白い光、駅前の照明たち…この多幸感と景色は今だけのものだと、音楽を聴きながらぽろぽろ溢れそうになった。

リアルな描写なのかと思えば、ときどき詩的で、ファンタジーであるこのバランス感が好きでした。
たくさんグッときたところがあるけど、なにより生きていてよかったと思う瞬間をこの映画をみれば思い出せるのだからもうスコアはあってないようなものでとりあえず最大値。
美月

美月