ぐり

PERFECT DAYSのぐりのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
ラストシーンが本当に本当に最高………………
イルミネーションで彩られた街並みがなぜかいつもより輝いて見えて、思わず写真を撮ってしまいました。最高の気分です。たまに出会う、ずっとこの余韻に浸っていたい映画。彼と同じような生活をしたいとも、できるとも思っていませんが、日々をより良くするためのヒントがこの映画には沢山詰まっていて、好きな映画でした。

彼のルーティンは美しいほどに規則正しく心地よいものだったので、未来の私のためにこのレビューに残しておきたいと思います。(おそらくいつものレビューとは違う感じになります…)

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早朝。まだ薄暗い時間。
近所の人が放棄で落ち葉を掃く音で目覚める。
布団を畳み、部屋の角へ。
歯を磨いて髭を整え顔を洗う。
植物たちの水分補給も忘れない。
着替えをして、ドアの前の棚から必要なものを全部すくい上げてから(何気に私はここが大好き)、ドアを開けて空を見上げる。いい朝。
缶コーヒーを買って車に乗り、1口。
今日のカセットテープを選んで、気分はドライブだ。
さあ、今日も1日が始まる。
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東京の公共トイレはいろんなデザインのものがあって面白いな〜!‪公共トイレ巡り(?)がしたくてこの作品を作ったのかと思うくらいユニークなデザインのものばかりが登場したので飽きずに観られました‪🚽✨️しかも、どこもめちゃくちゃ綺麗でびっくり!綺麗なトイレを掃除しているからだろうけど、見ていてとても気持ち良い。ASMRのような感覚。だけど冷静に考えたら、こんなに綺麗なのは清掃員の方が日々掃除してくれてるからなんだよな…と、家のトイレ掃除をサボりまくっている私は正直泣きそうでした(笑)

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お昼の休憩はいつもの神社の木の下で。
お昼ご飯はサンドイッチと牛乳。
木漏れ日をフィルムカメラでパシャリ。
植物の芽を持って帰ることもしばしば。

さて、午後の仕事。もうひと頑張り。

仕事が終わり、銭湯へ1番風呂(好き)。
さっぱりしたあとは行きつけの駅地下の居酒屋へ。「おかえり」「お疲れさん!」の1杯。最高。

寝る前には読書、眠くなるまで(これは私も真似していきたい)。眠くなったら本を閉じて、1日の終わり。
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休みの日は起きたらもう外が明るい。
コインランドリーで仕事着を洗う。
その間に写真屋へ。現像された写真を受け取り、新しいものと交換する。
音楽を聴きながら、家の掃除も欠かさない。
古本屋に寄って本を1冊。店長の一言コメント付きで、1冊100円。
夜は行きつけのスナックに。ママは歌がお上手。
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そんな毎日、時々イレギュラー。

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仕事が適当な後輩に金髪の彼女は全然振り向いてくれない。初めてのカセットテープ、彼女はどうやら気に入ったらしい。

同じ神社の木の下でお昼を過ごすOLのお姉さん。言葉は交わさずとも、同じ空間を共有して。

いつも公園にいる不思議なおじいさん。たまに木の枝を背負っていることも。

突然、姪っ子が遊びに来た。家出らしい。
お仕事を見学したり、本を読んだり。
「今度ね」
「今度っていつ?」
「今度は今度、今は今」
「いつでも遊びに来ていいから」
「まだあの本読み終わってない」
「持ってっていいよ」
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物語のアクセントとして入れたんだろうけど、後輩が突然仕事を辞めて、日々のルーティンが崩れてしまったときの彼の怒りに満ちた姿が、今までの穏やかな姿と全然違っていて、酷く怯えてしまった。でもそれと同時に、人間らしく生きるために重要なのは適度な仕事量なのだと改めて感じた( ᵕ̩̩ ᵕ )

「世界は誰かの仕事でできている」

彼の生きる世界はとても小さい。しかし、その世界は彼ひとりでは決して成り立たない。彼の世界に登場するひとりひとりの人間がその世界、その社会を作っている。それは、私の世界も同じ。

「何も変わらないなんて、そんな馬鹿な話、ないですよ。」

変わらない毎日だけど、1日たりとも同じ日なんてない。日常の中に小さな幸せを見つけて、誠実に日々を生きよう。そして、私の世界を作ってくれているみんなにもっと優しくありたいと、少し顔を上げて帰路に着きました。みんな、毎日お疲れさまです。そして、いつもありがとう。役所広司、また最高を更新!
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