ジジイ

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命のジジイのレビュー・感想・評価

3.5
19世紀のイタリアボローニャでユダヤ人家庭の6歳の少年が突然、異端審問所警察によって連れ去られカトリック教徒として育てられる、という実話ベースの物語。面白かった。宗教的刷り込みという意味で、統一協会の二世問題がすぐに想起されるが、これはなかなか一筋縄ではいかない問題である。そもそもイエスはユダヤ人として生まれ、ユダヤ教の教えに逆らう形で独自の信仰を展開した。ユダヤ教、キリスト教、ローマ教皇、この三つ巴が複雑に絡み合う歴史そのものが理解をひどく困難なものにしているようである。いずれにしても一信仰が他者の不幸や不利益につながるようでは、普遍的な教えとは言い難いのではないか。映画は大袈裟で耳障りな劇伴が気になった。
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