19世紀末のフランス、美食家の男性と料理人の女性をめぐるお料理映画。冒頭から粛々と進められる調理シーンに引き込まれる。太陽に光がたっぷり入る調理場で料理する人々の無駄のない動きをとらえたカメラはセリフはほとんどないけどドラマチック。これは天才料理人のお料理映画にも見えるが、自分のことは自分で決定し、仕事に誠実に生きているお仕事映画の面に惹かれた。
さらに光の使い方がとても効果的。調理場に差し込む白飛びするぐらいの外光、ろうそくが部分的に照らす人々の顔、瑞々しい自然の光、ほんとうにどれも素晴らしい映画的モーメントにあふれていた。
ただ！私は食に対する情熱をうっとり語るもの全般的に苦手で、なんとなく性的に明け透けなものを想起させるというか。だから全体的にうっすらした不快感があってnot my cup of teaでした。
