サトシ

ポトフ 美食家と料理人のサトシのレビュー・感想・評価

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)
4.0
トラン・アン・ユン脚本・監督、フランスの恋愛映画。

舞台は1885年のフランス。
ウージェニーは有名なレストラン経営者のドダンの下で20年間シェフとして働き、優秀な料理人として国内で有名であった。ウージェニーとドダンは厨房で何年も共に過ごしたために特別な感情が芽生えていた。食への愛を分かち合った2人は他にはない美味で極上の料理を生み出し、世界中の美食家を魅了する。ドダンはウージェニーにプロポーズするが、自由を愛するウージェニーはドダンとの結婚を望まない。
ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明ける・・・。


【キャスト】
ウージェニー:ジュリエット・ビノシュ
ドダン・ブーファン:ブノワ・マジメル
ラバス:エマニュエル・サランジェ
グリモー:パトリック・ダスンサオ
ヴァイオレット:ガラテア・ベルージ
マーゴット:ヤン・ハムネカー
ボーボワ:フレデリック・フィスバック
ポーリーヌ:ボニー・シャニョー=ラヴォワール
オーギュスタン:ジャン=マルク・ルロ
ポーリーヌの父:ヤニック・ランドライン
ポーリーヌの母:サラ・アドラー

拘りの料理映画を鑑賞。
ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・マジメルの見事な調理シーンは飽きる事なく、魅せられました。
今まで厨房シーンを長く見せられる映画は見た事が無かったですが、これだけ手間隙をかければ美味しい料理に仕上がっているなと期待は膨らみます。
この映画をきっかけにグルメについて考えさせられました。空腹を満たすだけの食事をして、人生大損をしていたんだなと振り返る事ができました。
ドダンとウージェニーの一途な愛情が終始伝わってきます。ドダンの想いが伝わる映像は面白かったです。ドダンが部屋に訪れ、バスルームにウージェニーの裸体の後ろ姿を見てうっとりしたり、梨の形がウージェニーの裸体と類似していたり、何回開いているか分からないドアをノックして、ドダンは何回プロポーズしたのかと思える程です。ハッピーエンドを望むばかりです。
ラストの長回しのカットは映画の締め括りとして素晴らしかったです。
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