ベラボー

About Dry Grasses(英題)のベラボーのレビュー・感想・評価

About Dry Grasses(英題)(2023年製作の映画)
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寒村に赴任し倦んだ小中学校美術教師は4年間転任を渇望し続ける。
”目をかけている”女生徒。女友達として紹介された村外の義足教師。彼女に好意抱くことになる同居する同僚/友人。
雪に覆われ隠す「こころ」。
雪溶け露わになる草のような「こころ」。
3時間溺れながら刮目。
Dope!

🇹🇷版夏目漱石「こころ」?
なこの映画サイコサスペンスでもあるんだけど”そういう風”な展開や演出とは一線画し。ぬるぬるぬめぬめ浸り、時にウトウトと男の日常を眺めていると突如強烈な対話対峙に見舞われバキバキ覚醒すること幾度も幾度も訪れ。
ベッド向かう前のあのシーン。何事⁈って思わず前のめり。

大きく2つのストーリーあるけどあの少女絡みが強烈で。これどこの映画とも違う展開風合いなんですよ。「展開」というのも違う気がする。おもしろい。
ってか学園ドラマ?パート凄くおもしろかった。今こうして記しながらじわじわ甦り反芻。オカシイ。クレイジーという意と可笑しい両方。

生徒に対しても友人に対しても誰に対しても酷くて自分本位で、だけど客観的リベラル気取りでどうしようもない男の自己憐憫と退屈凌ぎの1年…という笑。
計算高いように見えてスキだらけなのと愚か者だけど悪人ではない絶妙さ。
下衆男のドライでブラックな喜劇ですね

23.11.22鑑賞
(東京フィルメックスにて)
ベラボー

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