ベラボーさんの映画レビュー・感想・評価

ベラボー

ベラボー

怪物(2023年製作の映画)

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傑作。
カンヌ2冠それぞれ納得。
親子・教師・子どもそれぞれの視点・心理から描かれる真実の顛末だが、大人のバイアスで人でなしが現前するに対し、少年の4つの眼に映るのはただ現実。
悪意にも無自覚にも晒さ
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Rodeo ロデオ(2022年製作の映画)

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男性曲乗りバイカー軍団に単身乗り込み自分の居場所をつくろうと疾走・暴走するやさぐれ姉貴の刹那な青春。
不敵なツラ構えと座った肝からは本心伺えないし本人も掴み切れていない様子。
家族?ただバイクで走りた
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僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。(2023年製作の映画)

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その名通りなご当地映画…を超越したまさに埋蔵金発掘気分✌︎
70年代青春ドラマ映画の懐かしさ残しつつ”今と未来”を富山ブラックで凝った筋立てで描く大快作👏

youtubeに興じる高三男子3人組は富
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

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中国のスポ根競技獅子舞アニメ。
百聞は一見に如かずいや百聞は一”感”に如かず。
シンプルで強いストーリーと思いを大胆で凄まじい描写力で届け伝える娯楽芸術活劇。
心ぶるっぶるうるっうるの傑作!めちゃ良か
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

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アラレちゃんドラゴンボール的世界観・表現をベースに呪術廻戦的表現へ…を実写でやっちゃう楽しさやら魔女1での日常感の中でのコミカルやら(今回の主人公悟空感強し)要素要素おもしろいけど全体的に冗長。
終盤
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クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

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つくってくれた公開してくれたこと感謝なロッキーサーガ現在進行形。今回は昔の親友/兄貴分とのおはなし。
中盤までのストーリーを捻らず突き進めなかったかなあ…デイムのキャラクター描きようもっとあったのに惜
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渇水(2023年製作の映画)

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悪質料金滞納世帯への給水停止作業を粛々とこなす心渇き切った職員と愛情涸れされた姉妹の交流を中心に描く社会派ドラマ…
では終わらせないハードボイルドでアメリカンニューシネマな革命劇!
独特な温度のユーモ
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ブルーを笑えるその日まで(2023年製作の映画)

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監督/私から昔の私へ、私のような未来の少年少女へ贈るエールは不器用でもどかしくだからこそ切実で。
ありがちエモに流されない好編。
アン/ 渡邉心結 さんもアイナ/ 角心菜 さんも佳き(特に川シーン!)
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波紋(2023年製作の映画)

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筒井真理子さんはじめ達者な巧者たちによる小劇場的作品かな?という既出の粗筋と予告に裏切られ笑。
中盤以降の引き込みヂカラに釘付け。
人の愚かさみっともなさを怒り笑い泣き笑い笑い笑い描く強かなる人間賛歌
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

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胆力と顔力。これですね。
才人・二ノ宮隆太郎監督が敬愛する役者光石研さんを取材し主演で撮った作品は定年前に心身モヤモヤ抱えた定時制高校教頭の足掻きと諦観と寂しい希望と。
なんか分かる気するのは今の自分
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劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ(2023年製作の映画)

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2010年代アイドルオタクライフ最大公約数から毒気抜いた推し活セミドキュメンタリー&ファンタジー。
えりぴよさんの愚直さと報われ方、くまささんの在り方良かったです。
ドラマから続く劇場版ソツないつくり
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警官ジジのアドベンチャー(2022年製作の映画)

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ご近所トラブルらしき事と事故現場検証らしき事と大部分占めるパトロール車窓ドライブショットと相方との、無線での駄弁りの虎バター🐅🧈…
ラストシーン良かったなあ。あれも映画これも映画。こういう映画あっても
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フリークスアウト(2021年製作の映画)

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異形異能のサーカス団員たちがナチスと大激戦!その超人技は…
今回は永井豪先生ではなく石ノ森章太郎先生DNA感じる王道ど真ん中ヒーロー活劇の快作👏

23.4.30鑑賞(オンライン試写にて)

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

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1973年チェコの宅間守。
社会の、人類のバグ。
なんだけど主人公の横顔も猫背のぶっきらぼうな運転席を後方から映した光も煙草煙もただ美しく強くて映画って恐ろしい…
秀作。
私、オルガ・ヘプナロヴァー
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

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いい題名だ。
江戸の汲み取り業営む若者二人と声失う元武家娘の”せいしゅん”。
せかいをまだ知らない世界の片隅に生きる人々が見上げた果てなきセカイはちっぽけだけどBIG LOVE♡。
阪本順治監督とカウ
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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全てにオクテな女子大生がアダルトグッズ店バイト、浮世離れした女性店主との交流を通じ”芯”をペリペリ剥き出していく青春映画🇲🇳。 
通り一辺倒ではない友情がいい。音楽がいい。スローさが心地良い。
ボーリ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

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元ポルノ男優の帰郷と甘い夢。その甘味はチクロのそれ。
惨めで浅薄で滑稽な人間模様がテキサス郊外で寂しくも美しく煌めきロマンティック。が令和の「バッファロー’66」には憐憫も陶酔もない。
愛おしくはない
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

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深夜の友は真の友。
高校生の娘息子抱え離婚した女が生活の糧に選んだのは深夜ラジオDJに繋ぐ電話受付。新たな生活には子どもと同世代の家出娘も関わるようになり…
80年代パリに乗り合わせた市井の人々の7年
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

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傑作!
アロマアセク多様性他者理解自己受容コミュニケーション…”優しさ”をこんなに丁寧に辛辣にそして優しく描けるのか…驚き。
シラキさん良かったな。演じた新谷さんも。
金子監督前作に続き何気ない散策風
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

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パリの運河に浮かぶ船が素敵です。このデイケア施設に集う人々がとにかくおしゃべりします。
医療福祉系ドキュメンタリーという分野から想像する作品とは異なるサクッと小粋な人生スケッチ。
佳きです

23.4
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TAR/ター(2022年製作の映画)

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世界最高峰オーケストラ史上初の女性首席指揮者ターの栄光と神経衰弱ギリギリ綱渡りの日々。
ケイト・ブランシェットに尽きます。
演技へ絶対的信頼感じさせる撮影。
テーマ性も描き方も普遍的でクラシカルなのが
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世界の終わりから(2023年製作の映画)

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凄かった…。
世界の運命を背負い夢をかける少女。
ノーラントリアークローネンバーグ日本SFジュブナイルオタクカルチャー...丸ごと背負い愛と怒りぶつけてきた紀里谷和明監督渾身の1本。
劇中人物/俳優と
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18歳、つむぎます 私の卒業 第4期(2023年製作の映画)

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広島県福山を舞台にした卒業間近の高校生群像劇。
ご当地と若手俳優ワークショップ形式と。
見守る系(?)ジャンル映画。
が想定超えてきました。
奇を衒うことなく真正面から。
コロナ経て初の18歳成人とな
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わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

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傑作。ここ10年くらいのエッヂ効いた日本インディーズ良作群を支え渋く輝いてきた俳優陣が素晴らしい脚本と的確な撮影・演出・編集で才発揮しまくり。
佐近圭太郎監督。
時代時代に登場する日本家族映画の新たな
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

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ウェルメイド(だがお行儀良過ぎる)社会派エンタメ作品つくり続けるバベル新作は歪で驚き。
バベル作品史上一番好き。
誰もが能面被り受け継がれたお約束事を観客の前で演じるサスペンス超えた日本村社会ホラー。
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

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警官vs外道vs??...
凶悪囚人護送船内で繰り広げられる血みどろウルトラバイオレンスアクション🇰🇷の大快作👏
石ノ森章太郎原作或いはコミカライズ?な妄想連想も笑。
めちゃおもしろいです‼︎

2
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グリッドマン ユニバース(2023年製作の映画)

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創造破壊創造破壊想像力は無限大。
無邪気なウルトラ足し算。
バカ負け感動最高の最終回なんだか凄いめちゃおもしろかった!

23.3.25鑑賞

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

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今回の社会不適合っぷりは郵送物ちゃんと確認しない分かり味深い我々が主人公に二人をヤッて正規組合員昇格狙う下請け非正規雇用殺し屋兄弟。
何気に社会派な哀愁楽天主義な暴力活劇コメディ続編も楽しかったです👏
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

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古き”良きなき”昭和末期の悪童たちを当時の男の子視線・価値観で描いた青春群像。
傑作とか秀作とかではない歪さ野蛮さ。
胸撃たれた。
デフォルメあれど何もかもがナマい。
これが昭和の”多様性”。悪しき文
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

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イラン聖地の連続娼婦殺人事件。
犯人は良き家庭人で街の名士。事件追うのはセクハラパワハラで理不尽な人事配置された女性ジャーナリスト。
理不尽とはされていない理不尽な性差別の巣窟に絡みとられまいと挑む先
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赦し(2022年製作の映画)

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誰が誰に何を。赦して赦されてどうなる。苦しみから赦されない人々のそれでも。
顔力(がんりき)。
「コントラ」でも印象的な「歩き」「歩き」。
人や物なめのカット。
琥珀色の画面。
俳優陣素晴らしい。はも
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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使いたくない表現だったけど使わざる得ない庵野秀明作品。
映画だけど画づくり構成はチェンソーマンやダンダダン想起の漫画劇画調。
原点回帰素手喧嘩(ステゴロ)ライダーの説得力ある強さに👏
信頼は愛に勝つ。
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新宿純愛物語(1987年製作の映画)

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木村健吾選手大矢健一選手が悪役四天王として出演すると週プロで読んで知ったビーバップ系譜作品。
一部主題歌が話題になった作品。
昔どこかで観たんだけど印象薄く。
東映youtubeで久々鑑賞。
脚本物語
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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太陽見上げ目を閉じ瞼に映る残像。そんな映画。
離婚で離れ離れになった父娘が一緒に過ごすある夏の記憶。
少しメランコリックでビタースウィートなバカンス。
ビデオカメラの駆動音、テープが取り出される音。
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

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悲しみを脂肪に替え心身に溜め込んだ男。
座礁した鯨のように死を待つ彼の最期の身勝手。
これに付き合うことになる人々。
愛と救済と詩と。
鯨男が死を賭して大海を夢見、浅瀬で足掻く姿を追った哀しく滑稽で壮
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死体の人(2022年製作の映画)

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元劇団主催、現エキストラ専門な男は情熱が空回り。芝居の出代削られ辿り着いたのが死体役だが死を生き過ぎて成仏寸前...
もう若くはない彼が親の病やDV彼持ちデリヘル嬢との出会いを経て“ちゃんと”死ぬまで
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