ヒカル

落下の解剖学のヒカルのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
今週は三連休の為か洋画の封切りが多め。マダム・ウェブは酷評ばかりで安心してパス、マブリーは過去作観てないのでパス、観たいのはガイ・リッチー作のコヴェナントのみですが、連休中の気持ちを上げて行きたいので面白そうなのは明日に残し、とりあえずアカデミー賞のお祭り気分味わうためだけにタイトルが格好良いだけでしょうもなそうな本作を観るために期待値低めで劇場へ。


125席の小箱に押し込まれて約7割の客入りで哀れなる者たち以上に客多すぎでした。真面目な映画ファンが京都の様な田舎でも多少はいらっしゃるのですね。感心しました。


感想は鬼太郎とは逆に期待値低めで行った為か、想定の2倍楽しめました。会話劇、法廷劇が殆どで地味なのですが、ドライブ・マイ・カーの様な心地よい緊張感を最初から最後まで楽しめました。


悪いところが無いのが本作のプラスポイントかと思いますが、何か語りたい事があまり無い作品でもあるかと思います。枝葉のしょうもない部分ばかりが気に入ったので、以下に羅列します。(ネタバレあるので改行します。)









1 フランス語アレルギーの人にもオススメ

ブームから1年遅れのシャンタル・アケルマン祭りを義務感からアマプラのスターチャンネルにて家で1人で開催してるのですが、フランス語ちんぷんかんぷんで100%字幕頼りは疲れます。(ジャンヌ・ディエルマンはセリフ少ないので◯)本作は英語7割なのでご安心ください。


2 相棒のおっさんが格好良い

フランスにしか生息してない様なオシャレで格好良く頭の良いおっさんが相棒です。腐女子系絶賛のゲゲ郎と水木より自分には格好良かったです。息子さんも可愛らしく賢いです。


3 しょうもない話しをここまで膨らませるのは脚本家が天才?

状況証拠しか無い事件で裁判もドラスティックな展開は有りません。日本だったら勾留延長の300日間で自白を強要させて完となる糞みたいなお話しになりますが、さすが人権先進国のおフランスでは殺人容疑でも保釈されて、弁護士、検察官、裁判官、息子と弁が立ちまくり、それなりのカタルシスもあったのでエンタメ系しか駄目な自分も楽しめました。脚色賞が激戦でグレタ・ガーウィグが取れるか心配しつつ、何で脚本賞と違うねんと怒ってましたが、脚本賞にも強敵がいました。脚色賞をバービー、脚本賞を本作でしたら、私は2024年アカデミー賞に何も文句を言いません。


アカデミー作品賞はどうせオッペンハイマーの様ですが、たったの4つしか観てない私の順位は以下の通りです。本作は4点でも良いのですが、エマ・ストーンが頑張ってた哀れなる者たちと差をつけました。

1 バービー 5.0点

2哀れなる者たち 4.0点

3落下の解剖学 3.5点

4 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 3.0点

受賞式迄にアマプラでアメリカン・フィクションしか観れないのは残念です。本作の主演のザンドラ・ヒュラーは関心領域にも出てるのですね。主演女優賞はエマ・ストーンかリリー・グラッドストーンの2択っぽいですが、ドイツの女優が作品賞ノミネートの2作品に出演してるのは結構な奇跡かと思います。



2024/3/2 追記 哀れなる者たちとの比較でエマ・ストーンの頑張りを重視しましたが、本作の夫婦喧嘩シーンとかCG凄いなと勘違いした犬の演技や弁護士のイケオジ等もう一回観たいな~と鑑賞後感が本作の方が高くなったので以下に修正します。(音楽もの以外は基本リピートしませんので行きませんが)

1 バービー 5.0点
2落下の解剖学 3.5点→4.0点
3哀れなる者たち 4.0点
4 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 3.0点
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