Fumi

落下の解剖学のFumiのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
妻が殺人の罪に問われる法廷劇が表にあって、つまびらかになっていく夫婦の関係性や、人となりの掘り下げていきながら事件の中身を追う展開の仕方も良かったんだけど、その夫婦のドラマの裏でじわじわと、ずっと流れ続けてる息子のドラマがとても良かったよ。映画全体として、ドラマが二重構造になってる感じで見応えあった。

アカデミー賞戦のダークホースとして注目してた本作、作品賞はさておき脚本賞には絡んでいけそうな気がする。期待に応えてくれる出来。
あと、スヌープ🐕、すばらしかったなー。賢かったなー。「ワンスアポンアタイムインハリウッド」でブラピが買ってたブランディちゃん以来の名犬だよ。







以下ネタバレ






事故で視覚をほぼ失った息子、家は片田舎の山荘で、父親の方針で学校にも行っておらず、友達は賢い犬一匹しかいないのに、その上で母親が殺人罪でいなくなるのは死活問題だよね。
母親が立件される前に覆した証言もあまり効果なかったし、法廷では聞きたくないだろう両親の不和や、母親の不貞も全部聞いて受け止めて、もう一回証言すると言った息子の思いよ。最後の母親へのハグは、母親に甘えるハグではなく、母親を取り戻してやったぜ、くらいの意志を感じたよ。
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