Imymemine

落下の解剖学のImymemineのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

フランスの雪山に建つ一軒家。そこから1人の男が転落死した。容疑者はいっしょに暮らしていたその男の妻、証人は視覚障害のあるひとりの息子のみ。裁判を通して少しずつ夫婦間の問題が明かされていく。

「主観/客観の境界」「事象の多面性」「情報操作」……キーワードとしてはこの辺りで合ってるのかな。
人間の記憶の曖昧さや認知バイアスの危険性の描き方が生々しい。そこに視覚障害の息子を絡めるのが上手い。
裁判シーンが主。長いけど迫真の演技で飽きることなく見れる。
母と離れ、週末明けの裁判に備えるカットがめちゃくちゃ好き。

スワン・アルロー演じる弁護士がはちゃめちゃに良い。これは趣味。美しい男にこんなに尽くされても流されない主人公、偉すぎるよ〜。

「95%夫に問題あるでしょ」というのが私の意見。妻の仕事を趣味の延長だとか夢を追っていると思っている所とか、成功を僻むところとか、被害者意識が強いところとか。
ただ妻の意見はあくまで妻からの発信であり、証明する人もいない、その上夫は既に他界しているので、真実は闇の中である。
夫婦の関係をどう取るか、いろんな意見が聞きたい作品。
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