もんてすQ

落下の解剖学のもんてすQのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.0
フランスの法廷モノ
盲の息子とその両親に起こった出来事を描いたミステリー
オスカー候補

そこに物語や世界観があるというより、観る側に“何かをもたらそうとしている”試みを感じた
主人公の女流作家は夫の要請でフランスに越してきたドイツ人で、ほかのキャラクターに比べて色んな意味で異質というか、そこが観客にどう映るか...つまり“夫殺しの悪妻”なのか“可哀想な寡婦”なのか...を分かりづらくする設計がされているように思った
なんて言って良いか分かんないけど...主人公はお愛想の良い方じゃなく(なんか“いかにも”なドイツ人だし)、夫に比べて作家としては成功していることが家庭内不和の要因になってて、かつバイセクシャルで性に奔放で...それらの情報が与えられた受け手側に「主人公を信頼していいのかをテストしている」意図がある感じがあって、そこが本作の狙いなんじゃないかと
観ている側の抱いている偏見・ステレオタイプを暴くことが目的というか...
う〜ん...そういうハリウッド映画はいっぱいあるけど、なんかそういう従来作品って過度にヒューマニズム的な主張を感じる一方で、本作はもっと冷めてるような...
そこらへんに『Anatomy of a fall』というタイトルの意図があると思った

まあまあビックリしたけど、フランスの裁判ってあんな感じで英仏同時通訳が用意されるのね
フランス人というかヨーロッパの人はみんな英語喋れるんじゃないのとか思ってたから意外だった

私はオスカー授賞式で、ジミー・キンメルがあの犬を連れてステージに現れると予測している
去年はロバ来たし🫏
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