あべ

落下の解剖学のあべのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

結婚して家庭を持つということは人生を共有せざるを得ないのであり、夢も目標も仕事も何もかも他人事ではなくなってしまうのだなと。ゴーンガールを思い出した。

法廷劇としてかなり真っ当に面白く、次々に新しい証言が開示されるのですごい見入ってしまった。
経済的に自立した女性(しかも外国語を喋りバイセクシャル)への無意識下の偏見と敵意を何度も浮き彫りにしていったのも凄い手腕だな。

ヴァンサンが最初から言ってるように、我々の世界では事実は置き去りにされてしまい残るのは「どう思われるか」だけというのがもうたまらない。
自分が法廷ドラマが好きな理由は、1番あり得るケースを本人は置き去りに「真実」としてしまう危うさなんだなと思った。人が人を裁くという限界。

ではそんな真実が存在しえない、あんまりな世界で何を根拠にどうやって判断すればよいのか?
息子ダニエルに託された決断。
何が真実かわからない時は自分で決断するしかない。
彼が決断を下した後の心情を思うとあまりに...辛い...。
あべ

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