なんでこんなに面白かったんだろう。
スリラーでもないのに最後まで一時も見逃せない感じがするし、派手な場面があるわけでもない。ここまで人間的な話とは観る前は想像してなかったし。納得するかどうかは人による気もするけど、自分なら？と考えることもできるし、登場人物それぞれの本心を探りたくもなった。
法定でのやり取りも面白かった。検察側の理論が強引なのに呆れたり、同じやり取りでも聞く人の背景知識、価値観でそこから導き出す結論が変わるのが興味深かったり、あとはマドモワゼルと呼ばないでっていうところも印象に残った。
そしてザンドラ・ヒュラーが唸るほど上手いのはもちろん、犬の迫真の演技にも驚かされた。
本作は、年々集中力が失われつつある私の集中力を途切れさせなかった、希少な映画。なんだか充実した時間だったな。
