Kaji

落下の解剖学のKajiのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5
ある夫婦のミシミシと内部崩壊してきた過程が、客観・他人である法廷で語られるので、いたたまれない気持ちになった。
二人同士では「わかっている」と慣れと信頼で了解されていたこも、不可侵な部分であり、溝・壁、隙間、、ぜんぶが明るみになる。
夫の落下不審死が口火を切るが、この映画において「落下」とは愛情の消滅なんじゃなかろうか。
恐い映画である。

「愛は冷める」と描いた夫婦の物語は他にもあるけど、この角度、この精度。

視点も誰のものって定められていなくて、第三者の目なので、観ながらも私は誰地点でこの裁判を見ているのかわからず、なんか幽霊や家具となって、この模様を観ているような気がした。
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