もーりー

落下の解剖学のもーりーのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5
ぱっと見サスペンスモノに思えるがこれは濃厚な法廷劇の映画ですね。なので犯人を追い詰めていく推理モノとか最後にどんでん返しが待っているサスペンスを期待しない方がいいです。事件の映像などは極力使わず、1年間の裁判をセリフ中心の法廷劇(しかも2時間半)をたっぷり見せてくれる。検察官のサンドラを犯人と決めつけるような質疑応答ではサンドラを応援したくなるし、夫婦仲がよくない事実が明るみになると一転サンドラが怪しく思えてくる…観ているこっちも傍聴席にいるような気分に。この濃厚な会話劇の凄さは観ないと分からないと思う。観ている人にすら「いやらしいなぁ…!」と思わせる検事役の俳優の演技や飼い犬の演技(犬ってここまで演技出来るのか…)も素晴らしい。あえて言えば2時間半もあるのでストーリーのテンポが悪いのと犬がヒドい目にあうシーンがあるのが欠点かな…
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