次男以外はみんな早世してしまったエリック一家は確かに「呪われた一族」かもしれない。だがその「呪い」とは別に霊的なものや超常的なものではない。原因がハッキリしている。成功や勝利にしがみつきその為なら子供が犠牲になっても構わない、自分が果たせなかった「NWA世界ヘビー級王者」という野望を息子たちに押し付け、何か家族間で問題があれば「兄弟で解決しろ」と他人事な父親がこの「呪い」の原因なのは誰の目から見ても明らかだ。エリック一家には常に「強くなければいけない」っていうプレッシャーがただよっていて、それがドラッグやステロイドの過剰摂取につながって悲劇が引きおこされたような？ただし家族の物語として見ると兄弟が多く(これでも実際よりひとり少ない)登場人物が多いせいか、次々と兄弟が亡くなるせいか全体的に描写が淡々としていてドラマ性が淡白な印象。最後の「先に亡くなっている兄弟とあちらで再会する」とかいうファンタジー要素もいらないでしょ…とはいえ単順にプロレスファンの自分からしたら試合のシーンもよかったし俳優が演じる結構似ている往年の名レスラーが次々と出てくるのはよかった。ちなみに「プロレスを知らなくても楽しめるか？」という疑問がある人もいるだろうが逆に知らない方が新鮮に見れるだろうし、エリック一家の顛末を知っていた自分にはあまりストーリーに驚く事はなかったので何も情報を入れない方が楽しめると思う
