とりこ

落下の解剖学のとりこのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2
「司法」の名の下に生活の極めて私的な部分が一方的に暴かれてゆく「裁判」というイベントの暴力性に辟易とした。そしてそんな乱暴な審理を経てもなお「真実」が明らかになる訳ではなく参審員の主観により相対的な判決が下されるだけ、というのも何とも虚しい、ただその「虚しさ」こそが本作が一番描きたかったものの正体なのだと思う。無数に存在する相対的な真実から自分の信じたいそれを選び取ってゆくことこそが「成長する=生きる」ということなのだろう。
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