とりこさんの映画レビュー・感想・評価

とりこ

とりこ

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.2

記録漏れてた。
特に琴線に触れる瞬間などもなく、淡い色彩の”エモい”映像を眺めていたら終わってしまった感覚、学生たちの初々しさ/瑞々しさはリアルで眩しくて良かった。河合優実も良いが小野莉奈も良い。

フォールガイ(2024年製作の映画)

3.3

『デッドプール』的な小ネタギャグのオンパレードで少々しんどかった、スタントへのリスペクトはしっかり感じられて良かった。

O Night Divine(原題)(2021年製作の映画)

3.3

ルカ・グァダニーノ×ZARAのショートフィルム。クリスマスシーズンのリゾートホテルを舞台にしたドタバタラブコメディ(?)、特に内容は無いがほっこり。サンタの投げ銭クレカなの笑った。

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.7

人喰い描写のインパクトが強すぎて現実離れしたお話のように感じるが、社会の「普通」から外れた人間が葛藤し生き方を模索していく、主題自体はとても普遍的なものだったと思う。「警察無能すぎでは?」という突っ込>>続きを読む

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.9

アメリカ史上最悪の処方箋とも呼ばれるオピオイドを販売し、中毒により50万人以上の命を奪ったサックラー家に対し抗議活動を行う写真家ナン・ゴールディン。多くの死や痛みに触れてきた彼女の半生を丁寧に振り返る>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.3

平和の壁に分断された北アイルランド・ベルファスト、現在は紛争は終結しているが、それでも「友だちとは?」の問いにすぐ「殺し合わずに〜」というフレーズが出てくることの生々しさにかなり食らってしまった。そん>>続きを読む

キャドー湖の失踪(2024年製作の映画)

4.1

シャマラン大好き上司に勧められて観た、何を言ってもネタバレになりそうだが、Netflix『ダーク』が好きな人は観れば良いと思う。面白かった。

ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ラスト、全面揃えて提出されるルービックキューブの切れ味よ、子どもは大人が思うより世界を分かっている。人種差別、貧困、腐敗したジャーナリズムなどが蔓延る教室(学校)はまさに社会の縮図、良い邦題。

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

執拗に女性を攻撃する同じ顔の男たち、顔も覚えていないような男たちから過去に受けた被害/トラウマの象徴なのか……?本作における加害は過度に露悪的なものばかりだったが、現実にはもっとマイクロアグレッション>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「AI」が「人間」として社会に解き放たれてしまうラストはかなり衝撃的ではあったが、AIの暴走、といったテーマはあらゆるところで語られ尽くしている気もするのでそこまで新鮮味は無い。

ラストマイル(2024年製作の映画)

3.8

ECサイトの普及により生活が便利で豊かになった反面、需要過多による配達員の労働環境悪化、低待遇による配達員の高齢化/不足など、未だ多くの問題を抱える物流業界に大衆の目を向けさせたという意味では大きな意>>続きを読む

インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.5

『チャイコフスキーの妻』同様、ひとつのカット/セットのなかで時間/空間を縦横無尽に動き回る映像が楽しい、緻密な計算によりコントロールされたカオスには快感すら覚える。中盤の約18分にも及ぶ長回しは圧巻。>>続きを読む

HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

3.9

Z世代の環境活動家らが爆弾をつくり石油パイプラインを爆破するだけのお話、だがとても面白い。彼等の動機も安易で浅薄なものではなく、それぞれの生活に根差した危機感/怒りが故の行動であることも端的に描かれて>>続きを読む

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.7

人が目の前で殺し合いをしている/死んでいく様を淡々とカメラに収めるジャーナリスト、その写真を見て「良い写真ね」と語り合うジャーナリスト、”ジャーナリズム”に常に付き纏うその残酷さに不気味さを覚えつつ、>>続きを読む

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)

3.6

東海テレビドキュメンタリー劇場第8弾。
ガチの暴力団に入り込むカメラ、知らなかったらヤクザとは思えない人の良さそうなおじさんが居るのがとてもリアル。暴力団を排除することしか考えていない条例の惨たらしさ
>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

4.3

東海テレビドキュメンタリー劇場第12弾。
「ドキュメンタリー」とはいえ、結局膨大な映像素材から人間が切り取る以上、そこに恣意的な意図が介在することは必然であって、だとするとカメラを通して「真実」を伝え
>>続きを読む

人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.1

東海テレビドキュメンタリー劇場第10弾。
風が吹けば枯れ葉が落ちる、枯れ葉が落ちれば土が増える、土が増えれば果実が実る、そんな必然のサイクルの中でまっとうに生きることの美しさに胸を打たれた。わざわざ海
>>続きを読む

チャイコフスキーの妻(2022年製作の映画)

4.0

ひとつの長回しの中で大幅に時間が経過する/場面が転換する舞台的な演出、現実と虚構が入り混じるかのような不可思議な映像、心情とリンクする照明、舞台演出家であり映画監督でもあるセレブレンニコフならではの演>>続きを読む

魚座どうし(2020年製作の映画)

3.8

情緒不安定でネグレクト気味の母親、宗教にどっぷりの母親、ヒステリックに生徒に当たり散らす教師、狭い水槽から逃げ出すには幼すぎる小学生二人の、瑞々しくも何ともない日常に息が詰まる。

あみこ(2017年製作の映画)

3.9

冷蔵庫から大量のレモンを取り出すカットの直前、カメラを見つめる女バス3人衆のカットがサブリミナル的に一瞬挿入された気がしてそれが妙にツボだった。こういった10代特有の危うさ/勢いみたいなものを原動力に>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.6

役者(特にアルフィー役の子)の演技やCG/美術などのビジュアル面は素晴らしい反面、設定やキャラクターの行動に突っ込みどころしか無い脚本が本当に酷い、マジで面白くなかった。時折現れるヘンテコ日本語もノイ>>続きを読む

aespa: MY First page(2024年製作の映画)

3.5

aespaのデビューからの830日間を追いかけたドキュメンタリー、コロナ禍でデビューしたが故のもどかしさみたいなものは十二分に伝わった、ジゼルが合流するまでは清純コンセプトで練習していたというのがなか>>続きを読む

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

4.5

基本的には一作目のフォーマットを踏襲しつつも、アンドロイドのアップグレードやX線透視、ステルス移動、無重力バトルなど新たな表現もふんだんに(かつ効果的に)取り入れられていて、フランチャイズを仕切り直す>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

4.4

個人的には前作『プロメテウス』より好き。人類の創造主(エンジニア)まわりのお話には正直そこまで興味なかったので早々に退場されたのは無問題で、お決まりの寄生→誕生の流れが見られれば充分だったので大満足。>>続きを読む

プロメテウス(2012年製作の映画)

4.2

“エイリアン”の起源を明らかにすればするほど、その得体の知れない不気味さみたいなものは薄れてゆくような気もするが、シリーズと切り離して本作単体でみればなかなか面白かったように思う。何かしらの怪しい物質>>続きを読む

BTS: Yet To Come in Cinemas(2023年製作の映画)

3.9

『Dynamite』『Butter』で忘れかけていたが、BTSの最たる魅力はバキバキのパフォーマンスであることを思い出させてくれた新曲『Run BTS』がやはり本ライブのハイライト、最高に格好良かった>>続きを読む

BTS:PERMISSION TO DANCE ON STAGE –LA(2022年製作の映画)

4.0

BTS、やっぱり華がある。初期〜中期の陰鬱としたコンセプトの方が好みではあるが、『Boy With Luv』『Dynamite』以降のハッピーな楽曲群も素敵だ、部屋が底抜けの多幸感に包まれた。一度は生>>続きを読む

エイリアン4(1997年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作で死亡したリプリーを意地でも出すためにかなり突飛な設定になっているが、それを活かした『エイリアン』らしからぬエモーショナルな展開は個人的には好きだった、ウィノナ・ライダー最高に可愛い。

エイリアン3(1992年製作の映画)

2.9

頗る評判の悪いデヴィッド・フィンチャーの処女作、想っていたより悪くはないが別に良くもなかった。シガニー・ウィーバーの存在感で何とか持たせている。

劇場版SPEC~結~ 爻ノ篇(2013年製作の映画)

2.7

『SPEC』はドラマシリーズで終わったものと思うことにしました、熱出てる時の夢みたいだった。

劇場版SPEC~結~ 漸ノ篇(2013年製作の映画)

2.8

どうしてこんなことになってしまったのかしら……、二部作に分けるほど濃い内容でも無いし。

劇場版 SPEC 天(2012年製作の映画)

3.0

ふと『SPEC』が観たくなって。本作ぐらいから能力者バトルものとしての色合いが強くなる、個人的には連ドラでこじんまり刑事ドラマやってたときの方が良かったと思う、ドラマはあんなに面白かったのになあ。

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.2

過去の経験のすべてが現在の自分を形作っている、「その人らしさ」というのはひとつに定められるものではなく多面的なものなのだと感情たちが気付くシーン、この自分でも気が滅入るほど面倒臭くて矛盾だらけで複雑な>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

2.3

“就活”に対して一歩引いた冷めた目線を向けてしまう気持ちは分からなくもないが、流石にあの斜に構えたツイート群は痛々しさが過ぎる。それぞれのキャラクターがステレオタイプ過ぎるのも気持ち悪い、人間ってもっ>>続きを読む

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.6

“桐島”の失踪により浮かび上がる人間関係の歪みとそれぞれの本質、あの頃の自分は何か大切なものを見つけられていただろうか、東出昌大のラストの表情が素晴らしかった。