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落下の解剖学のKazeShingoのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.2
雪山の山荘で男が転落した。事故死と思われたが、次第に妻サンドラに疑惑が向けられる…
 法廷ミステリーと思っていたが、全然違った。









以下はネタバレありの私の感想








私などは結局本当は妻サンドラが夫サミュエルを殺したのか?というところに興味が行ってしまう。が、この映画(監督)はその答えを曖昧にして示唆しない。このような客観的な物証がない落下事件は、家族のダニエルでさえ自分の解釈で答えを出しているように見える。そのために彼は裁判を退席しなかったのだ。

私の勝手な想像は、サンドラは夫を撲殺してないのだが、裁判の録音を聞いて、初めて夫を死に追いやったのは自分だと気付いたのだと思う。
つまりサンドラは裁判ではnot guiltyであったが、実は夫を殺したも同然で、彼女は自身をguiltyだと感じているのではないでしようか。

事件を起こした人や被疑者を、ネットなんかで周囲の人が断片的な解釈で断罪したりする昨今じゃないですか!この監督はそんなの危ないですよ!と言っているように感じる。

すみません、ちょっと解釈が浅堀りですかね。
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