デブチンバラ

落下の解剖学のデブチンバラのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画において、法廷に立つということは、心を身ぐるみ剥がされ、引き出しの奥に隠し持っていたものを明るみに出されるようなものだと感じた。そういった意味で、これはとてもスリリングだけれども怖い映画であった。その恐怖がピークに達したのはやはり夫婦喧嘩の場面であろう。夫婦は、直接的ではないにしろ、事故によって子どもを視覚障がいにしてしまったという罪の意識を持つ。そして、夫婦共々作家であるのだが、夫は家事や子どもの面倒を見る時間が長いと感じ、妻より自分の方が執筆活動にあてる時間が短いと不平を漏らす。それに妻は反論して、書けない理由は時間でないとなじる。それは作家としての力の差があり、夫は妻に対して妬みを感じているのだろう。そのことを知った子どもの気持ちを考えるととてもいたたまれなかった。
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