カウリスマキの見た夢だね。画面の世界とラジオから聞こえてくる世界が断絶している。ラジオから聞こえてくるニュースがウクライナでも、ガザでも、いつかのどこかでも大差ないように思える。外界はただ、垂れ流されているBGMであり、登場人物在り方、物語のうねりになんら影響を与える様子はない。その点、あまりにもご都合主義というか、まぁ夢の中の映画を撮ったんだろうなという感想。カウリスマキはどちらかというと好きな部類だけど、この描写は流石に舐め過ぎだろうと思うと同時にこれを持ち上げ賞賛したカンヌのキモいエクスキューズにユーロの限界を見た。
現実を超えない妄想に着地しちゃった感。
