柊

枯れ葉の柊のレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.8
みんな行くとこないのかなぁ?この作品でお正月早々満席になるなんて…多分半数以上は???って言う感じなのではないかと。

カウリスマキ監督日本好きだよね〜。
今回も初っ端ラジオから流れる「竹田の子守唄」それも日本語。いい味は出てたけど…特に作品そのものには関係無し。笑
カラオケも出てきたし。

監督得意の底辺にいる人々にスポットを当てる作品だから、明るくはない…むしろ貧し過ぎて、おまけに理不尽に首切られるし…電気も払えなくなっていたし大丈夫か?と心配しつつ、たくましく次の仕事を見つけて働き出すバイタリティーには励まされる。グラスをめいいっぱい重ねて運ぶ様がいい。なのにまたお金にたどりつかない。

そして最後は日雇いの工事現場で肉体労働。それでも生活の糧を得るには必要な事。特に楽しみもなくギリギリの生活の中で、犬を飼い一度会ったアル中の職なし男と変な縁で繋がり、黄昏た枯れ葉の舞う公園でエンド。
こんな中年男女の夢も希望もなさそうな出会いを描いたカウリスマキ監督。
特別凄い盛り上がりがある訳ではないけれど、味はある。そんな作品です。
所々に挟まれる会話のズレた面白さにクスッとなるのと音楽が全般的に私は好みでした。
2人の女の子がバー?っ歌う歌はとくに好きかな。ちゃんとフルバージョンで聴きたい。

あとヘルシンキと言うか北欧は冬が長い分、カラフルだな。ロッカールームの扉も年齢問わず女子の洋服とか原色の組み合わせバンバン見せてくれるからそれもまた楽し。
柊