ラジオから流れる不穏な空気
引退されたアキ・カウリスマキ監督の復帰作品。斬新なことや目新しいことは何も無く、シンプルな映画。カラオケバーでの出会い、すれ違い、譲らない性格の男女、何とも古典的なドラマだが、ラジオから流れる戦争のニュースによって現代性をもたせている。
古典的なドラマでありながら、部屋の孤独感も現代的要素の匂いがする。部屋の程よい狭さ、カット割りをせずに部屋全体の画、賞味期限切れの商品をレンチン。独り身の女性の孤独感が表れていた。
ちなみに前情報もなく見ていたため、ラジオの戦争のニュースは、小さいフック程度だった。現実もそんな感じだろうから、妙にリアルで不気味であった。
とにかく久々に映画らしい映画を見た。映画館で見れて良かった。