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枯れ葉のniのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.0
高知県民ホールにて。
カリウスマキ監督の映画は本当に知らなかった。調べてみると、簡潔なストーリーがたくさん出てきて、興味をそそられた。
本作は、とても現代とは思えない。
ラジオに旧時代の携帯電話、ジュークボックスなど。さて、これは本当にフィンランドのリアルなのか?わからないけれども、ラジオから終始流れ続ける、対ウクライナへの爆撃のニュースだけが、その世界を現代だと知らしめていた。
物語が湧き起こる場所は、時代の中であり、それは現代の一部なのだろうが、その世界は限りなく個人的なものである。そういう、いい意味で「閉じた」、監督の物語観を感じた。

物語は単調だ。繰り返しがあり、日常があり、それはリズムとなって、我々の生活感覚に同期していこうとする。悪くない感じだ。
目が離せない展開でもないし、度肝を抜かれたわけでもないけれど、落ち着いた時間軸にひとときでも浸れたような、そんな映画である。
監督の色遣いは、とてもvividな瞬間があって、それは印象的だった。それにあらぬるカットは、きちんと全て回収されている。その意味で、説明的な映画ではある。その意味で親切と言えるのかもしれないが。
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