前情報をあまり入れずに観たのですが、質感を楽しむ映画だったなと思います。画で登場人物の感情を上手く表現しているなと思いました。理不尽なことがあった日に職場のスーパーから帰るときのアンサの背中や街灯には哀愁が漂い、アンサの家から出て行ったホラッパが暗い道に姿ごと消えていくときは怒りと切なさを感じました。
ラジオから流れる戦争の話とありふれた日常とちょっとしたきっかけ。絶妙な混ざり具合でした。
あのタイミングでふたりが観る映画がまさかのゾンビ映画で驚きましたが、そこがまたアンサ的にはホラッパが「他とは違う」と思えたところだったのかな？と思ったり…。アンサの部屋がお洒落な色合いで素敵でした。ワンコがお利口さんで可愛らしかったです。料理、美味しそうだったな…。
全体的に笑顔が少ない作品でしたが、だからこそ最後の表情にグッとくるものがありました。
アキ・カウリスマキ監督のことは知らなかったので、これを機に作品をいくつか調べました。どの作品も似た色を持った設定で、きっと観たら「そう、これこれ！」となるんだろうなとあらすじだけでも感じました。今度機会があったら他作品も観てみたいと思います。
