印象的なポスターに惹かれて鑑賞。女性や女の子のクラシカルな衣装が素敵で、衣装を見る楽しさもありました。4Kデジタルリマスターだったからか、映像がとても綺麗でした。彩度が強過ぎず、少しトーン抑えめな映像の色味や質感が好みでした。
エイダ役の主演ホリー・ハンターが綺麗で美しかったです。夫のスチュアートはエイダの容姿に惹かれて結婚したようなので、納得の美しさでした。口がきけないという設定から声の演技がほぼ無いため、エイダの表情、目、仕種、纏う雰囲気の演技が素晴らしかったです。今何を考えているのかがわかる・わからない演技をシーンに応じて演じ分けていたように思えます。
スチュアートもベインズもエイダを自分の都合の良い人形にしたがるような欲に忠実な部分があるため、エイダがベインズに惹かれていく理由がイマイチわかりませんでした。エイダの気持ちを汲んだ行動や発言がベインズには徐々に見られたので、そこが惹かれるポイントだったのかも…？スチュアートもベインズも不器用だなとは思います。そして、エイダもピアノに関してはなかなか欲に忠実だと感じました。
後半の畳み掛けるような怒涛の展開に息を飲みました。伏線回収の仕方が見事で痺れましたし、伏線回収シーンでは思わず両手で口を覆いました。
エイダの最後の選択は、きっと彼女自身にとっても予想外だったのかなと個人的には思います。一番最後のシーンの方が綺麗で幻想的なラストでしたが、現実はそこまで御伽話のように綺麗ではなく…。人間は生と性に執着しているのだなと感じる作品でした。
