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枯れ葉のayatのネタバレレビュー・内容・結末

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ゆったりした歌映画。演歌みたいな、恋愛を主題にしたスローでメロディアスな歌が合間合間に挟まれ、ストレートな歌詞で場面のムードを代弁している。
とくに女性デュオがパブで歌う「私は囚人」というサビの曲が印象に残った。

職を追われ続けてお金のないブルーワーカーふたりの恋愛映画だけど、恋愛の部分も社会派的な部分も過剰には押し出されていない。
終始ドラマティックになるのを避け続けるけど、画面の色彩や主人公の水色のコートは見ていて飽きなかった。
後半に出てくる雑種犬がかわいい。

現代が舞台なのにラジオをはじめ家電が総じて古いものだったり、家にPCがなかったり、スマホを持っているのに電話番号や住所を手書きのメモで渡したり、貧困とは別に作為的なレトロ趣味であふれていた。それがこの映画の雰囲気を出していて、現実の戦争を伝えるラジオの音声とのミスマッチ感が浮かび上がる。この映画のファンタジー性?虚構性?「映画の中にしかいない男女の話」という感覚が残った。
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