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関心領域のtouchのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
3.8
"夫があんたを灰にして 辺り一面に撒き散らしてやる"
* * *
先行上映にて
アウシュヴィッツ収容所に壁を隔てて隣接する箱庭のような邸宅、そこで暮らす所長一家を見つめる映画という構造がまさに「関心領域の入れ子」になっている。
壁の向こう側の惨状を直接は描かず、漏れ聞こえる音や生活の端々から非道さが垣間見えて想像を掻き立てる恐ろしさ。劇伴が不穏すぎる
.
虐殺と地続きの環境に慣れてしまった一家の一番の関心事は「生活を維持すること」…なんとグロテスクなことか。
しかしただの嫌悪に留まらず、「この映画こそがあなた(観客)の関心領域であり、映画の外(現実)にかつて実在した/今なお実在する虐殺をあなたは深刻に捉えているか?」と問い質してくる。
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