やくあぶる

関心領域のやくあぶるのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.5
先行上映で観賞しました。体調を崩すくらい怖かった。日常生活に溶け込む銃声や悲鳴や罵声がマジ不穏。こういう映画こそ映画館で観賞するべきですね。この映画は血の一滴も出ませんが、99%の日常の中に1%の戦争という異物の入れ方がすごく上手いなと思いました。劇中一回だけあるアップショットも象徴的でキマりすぎ。国際長編映画賞獲りそう。他のやつ2本しか観てないけど。

「人間は環境の変化をすごく嫌がる割には新しい環境にはすぐ慣れる」っていうのがテーマの一つだと思うんですが、これって転職みたいですよね。なので転職に悩んでる人にオススメです。自分の環境を一度客観的に俯瞰して見てみるって大事なんじゃないでしょうか。

あとナチスっていう団体の創作物からの消費のされ方ってすごいなと思いました。『ダンケルク』とかもそうでしたが直接出てこなくても空気感だけで物語が成り立ってしまう。この作品のラストにも通じますが、そういう意味でも後世に語り継いでいく必要があるのかもしれませんね。
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