ヘイヘイ

関心領域のヘイヘイのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
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Fan’s voice試写会にて。
『関心領域』という不思議なタイトルに興味を持ったのですが、The zone of interestは第2次世界大戦中のポーランド郊外アウシュビッツ強制収容所を囲む40平方キロメートルの地域を示す言葉、とのこと。*ネットの拾い

ホロコーストをテーマにした作品の中でもかなり異色。全体を通してあれは何だったんだろう?きっとこういうこと?ていうシーンが正直多かった印象。

鑑賞後に何を受け取ったか、何を期待して観に行ったか、で評価が割れそうな作品でした。

月並みな感想になるのだけれど、あの歴史があって学んだはずの世界は今どうなっている?変わったようで変わってない。その立場に置かれた人間は、結局同じ様な行動を取る、という普遍的な人間性について描かれていたのかなと。ナチスの下で恐ろしい計画を進めていた看守も言うなれば歯車のひとつでしかないし、妻と子を持つただの父親。

今の時点から客観的に歴史を語れば、あの虐殺が蛮行であったことは間違いのない事実。
ただ、もしあの時代に塀の外の人間として生まれていたなら、果たしてそれに逆らって生きれたのだろうか?それに気づきながらも、意識の外に追いやることが処世術であったのかも。だから、何も起こっていない様に見えて、描写されないその事実が詳になるシーンやそれを具現化したあの音にゾワっとしました。


















やっぱりドキッとするのは、現代のアウシュビッツ記念館のシーンで。普通はこのまま終わりそうなもんだけど、また当時に戻る演出にはヒヤり。過去のことだと思っている観客に振り返って、まるで「見えてるぞ」と語りかけてるように感じました。みる/みられるの構図の逆転、と言ったら考えすぎ?

サーモグラフィーぽいシーンでは、照明を使わないシーンでも何が起こっているかを見せるため。少女が持っている熱量(救いたいという思い)を表現するため、というのを読んで、なるほど🧐と。
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