ハンナアーレントの凡庸な悪
興味関心はあるが観て不安感がどう体に作用するのかが不安だった。
音に敏感なので耳栓持っていったが、正解。
前半はごく普通の幸せな家庭の描写が多くうつらうつらしてしまったが、所々で収容所の不穏な要素が仄めかし程度にあるくらい。
こんな感じで終わってくのかな？と思ったら
後半にかけてナチスの将官たちのシーンが多くなり、痛々しいアウシュビッツの歴史そのものが直接的にじわじわ表現されていく。
そしてエンドロールの人の叫び声の様な不穏な不協和音。収容所の焼却炉の地獄に感じてしまった。小さい頃に読んだアウシュビッツを怖く描いていた本を思い出した。辛くなり早めに出てきた。
りんごをユダヤ人に配る少女のシーンがモノクロで強調されている。無関心の中の、唯一の関心が異常として捉えられる。それに気づき、愕然。
そしてユダヤ人の作った曲の楽譜を拾ってピアノで演奏するシーンがあったけれど、もうなんだかげんなりしちゃったよ、、平穏な描写にみえるのがまたさらにげんなり。
心底恐ろしかった。
