菜南子

関心領域の菜南子のネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

公開日に観に行きました。

アウシュヴィッツの隣に住むルドルフヘスとその家族の物語。

一瞬たりとも収容所の中の様子は映らないのに、常に騒音と煙が画面を阻害する。一言一言、彼らの言うことが収容所を想起させる。

彼らの言う愛してるも、時に度が過ぎた綺麗好きも全て嘘に聴こえる。
ルドルフとその妻にとっては幸せな家庭なのだが、子供や母親には異常さがわかる。慣れていい場所ではない。幸せに暮らせる場所ではない。

ラストが痺れた。時は今になりアウシュヴィッツ収容所博物館で働いている職員もヘスの妻のように麻痺している。鑑賞している私たちも。吐き気を催したヘスの方がよっぽどまともな人間だということだ。

ショットも、音を入れたり抜いたりするタイミングも決まり過ぎてて怖く見える演出になってた。良かった。
菜南子

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