このレビューはネタバレを含みます
すごく怖い。
音響や視覚効果が細やかに作り込まれていて、画角が凄まじくて、、
映画館の最後列で観たのですが、映画館ごとまるで演劇舞台のようでした。あ、映画館ごと取り込まれた。そう感じて鳥肌でした…
ジョナサン・グレイザー監督を調べると
ジャミロクワイのMV『ヴァーチャル・インサニティ』に辿り着き、この作品の監督か〜‼️と納得でした。
それをそれと描かないだけで、順風満帆な家族の光景がまるっきり違って見えてくる。
ほんの少しのやりとりや台詞、映像で想像力を掻き立てられて、分かると同時にゾッとさせてくる怖さ。
恐ろしくも人間を描いていることこそが
恐怖が増す…
ネタバレになりますが、
アウシュビッツ収容所の所長は、では心底狂ったおかしな人間なのか?
彼と家族のやりとり、夢であった農業で暮らすこと、健診受けてもなお異常が出る体調。。奥さんのために諦めるシーンなんてただの夫でしかなかった。
彼が悪人なのか。
彼がこちらを見た時、心臓が跳ねた。
外側から観てるだけのつもりの自分が露わになったから。
今も世界のどこかで同じように戦争が起きている現実。アウシュビッツのことを残酷だと思ったって、ヘス側のことを想像し足りてなかった自分。
ここにいる自分たちの関心領域を問われる作品です、、